院長コラム

片頭痛の誘因

疾患説明

片頭痛になりやすい事(誘発因子)や悪くなりやすい事(増悪因子)について

日常において片頭痛で困っている人では次のような経験がありませんか?

天気の悪くなる前
天気が良すぎるとき
ストレスから開放された休みの日
睡眠不足または寝過ぎの日

ワインを飲んだ時

人によって頭痛が起こりやすくなる切っ掛けはいろいろあるのですが、片頭痛を起こしやすくする原因についてはある程度わかってきています。以下のような項目が挙げられているので、当てはまる場合にはそれぞれに対しての対策が必要となってきます。

精神的因子

精神的因子とは典型的なものとしてストレスやストレスからの解放、身体的・精神的疲れ、睡眠の過不足になります。よく仕事中に頭痛がひどくなり始めたり、仕事から解放された休日や週末に限って朝から頭痛が起こったりということが当てはまります。このような経験が皆さんにもあるのではないかと思います。

睡眠については明日が休みだからといって夜更かしをしたり、いつもより長い時間寝ていたり、または帰宅が遅くて睡眠不足になったりということが当てはまります。日常生活においては避けて通れないこともあり、きっちり管理することは難しい問題でもありますが、片頭痛の発作を予防するためには可能な限り規則的な生活を過ごすことがいいようです。

内因性因子

内因性因子については、女性特有の問題ですが月経周期のことになります。片頭痛の発作が女性ホルモンに関連している人が多いので、このような傾向のある方にとっては生理に合わせて頭痛がひどくなることがとても多く、経験上理解しやすいと思いますがどうしてもこの時期は頭痛だけではない原因で痛み止めの内服が多くなると思います。

環境因子

環境因子として代表的なものが天気です。雨の降る前に頭が重く感じて嫌な感じがするといったことは、片頭痛になりやすい人では実感されているのではないでしょうか。そのほかの環境因子には室内外における温度差やにおい、音、光のようなものが該当いたします。

温度差によるものの例としては、空調が効いている建物では室内外での温度差が激しくなる夏場や冬場での出入りによるもの、または快晴で気温が急上昇したりすることで痛みが誘発される場合のことです。また、季節の変わり目で前日との気温差や一日の気温差が大きくなるような季節変化による場合のときもあります。日本は四季の変化がはっきりしているので、人によっては片頭痛発作がよく起こるつらい時期がある程度決まっている場合もあります。

においで誘発されるのは片頭痛を持つ人の独特な特徴であるともいわれております。原因となるにおいの種類については香辛料などの食品だったり、洗剤・柔軟剤のものだったり、香水だったりします。ときにはアロマなどの芳香剤や新築の建物のにおいだったりすることもあります。

ライフスタイル因子

ライフスタイル因子としては、運動や食事制限、性的活動、旅行があります。旅行は環境因子と似ているかもしれませんが、気温や気候の差があったり、海外旅行では時差があったりと変化が大きい場合には頭痛発作の誘因となります。もちろん、居室の環境や食事なども変わりますし、枕が変わることで眠りづらいなど睡眠にも影響があると思います。

そのほかにはダイエットを決意して、急に激しい運動を行うことや、極端なカロリー制限をすると頭痛の原因になります。少しずつ段階的に行っていくことがダイエットにも有効であるのとあまり頭痛が起こらなくて済むようなので、極端な行動をを避けるように心掛けてください。

食事性因子

食事性因子は空腹や脱水、アルコール、特定の食品になります。

チーズやワイン、チョコレートは片頭痛発作の誘因として有名なのですが、他の食品成分ではうま味調味料として使われるグルタミン酸の取り過ぎでも誘発されると言われています。

さらに、頭痛発作の原因と考えられる食品は多くあるのですが、その人それぞれで誘因となる食品がいろいろとあること、また、食事の過剰な制限や食品の成分を気にしすぎるという行動自体が精神的なストレスやフラストレーションとなり片頭痛の誘因となりえるので、誘因と思われる成分などを完全に取り除いたりするのではなく、程よいバランスで生活を楽しめるようにしていくことが推奨されています。

最後に

どういう時に片頭痛がなりやすいかがわかると対策を立てるきっかけになります。頭痛はいつ起きたのかに加えて、その日の天気はどうだったとか何を食べたときとかどこに行った時だとがなど、記録をつけていくと徐々にどのような時に頭痛が起こりやすいのかという傾向が見えてくる人が多いです。

記録をつけることはちょっと面倒に思えても、少しずつでも頭痛の記録していくことで発見があることはとても多いので、頭痛のメモを取るなどをしてみてください。また、頭痛治療の対策としては痛みが起こる時にどう対処していくかを見出すことがとても大切なので、暑さ寒さ対策を含めて日差し対策だったり、食事対策だったりと行動マネージメントを確立していくことが大事です。

スッキリとした日常が送れることを願っております!